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LINEUP[配給作品]

満月の夜には思い出して(2018)



MOOSIC LAB 2018 【長編部門】スペシャル・メンション(大槻美奈)受賞作品

『満月の夜には思い出して』

出演:時吉襟加 竹内ももこ 野島健矢 進藤智美 大槻美奈 木村知貴

監督・脚本・編集 川北ゆめき|音楽・劇中歌:大槻美奈|撮影:近藤実佐輝|録音:浅野就将|スチール:飯田エリカ|DCP制作:合同会社ユメキラメク|製作:中央大学映画研究会|助監督:山下知夏|企画:直井卓俊|カラー|STEREO|75min

カナザワ映画祭、TAMA NEW WAVEなどに入選の若手監督・川北ゆめきが、自身が惚れ込んだ天才シンガーソングライター・大槻美奈の楽曲を元に紡ぐ映画研究会の儚い青春群像でMOOSIC LAB参戦!随所に織り込まれる大槻の演奏シーンは圧巻。

◎川北ゆめき(かわきた・ゆめき)

1994年生まれ。中央大学映画研究会出身。
前作「変わらないで。百日草」では大槻美奈の「オト」をテーマソングに使用しカナザワ映画祭やTAMA NEW WAVEほか多くの映画祭で入選、上映。それ以来彼女に求婚し続けているが何故か実らない。

◉大槻美奈(おおつき・みな)

京都府舞鶴市出身。京都を拠点に活動する22歳の音楽家。2015年活動開始。柔軟でダイナミックなピアノ、カラフルでポップな歌詞、力強く伸びやかな歌声。言葉に思いを乗せた叙情的な歌世界は聴くものを魅了する。

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◼︎審査員講評

ぽとぽと、と涙のように滴り落ちる一作。思い出し笑いという言葉があるのなら、思い出し泣き、してしまうような作品でした。主人公の儚さ、夢見さ、はきっと幼いころ誰もが持っていたのに、いつ、どこで、失くすのだろう、はがれ落ちてしまうのだろう、そのことに気がつくのだろう。大学生、20歳を越えてすこしした年代特有の、大人と子供の狭間で、自分の意味を、生き方を、自身にも周りにも問う、そして空っぽの自分に、ある種諦めを見出してしまうような、そうしたら大人になるってことなのかなって、おもいながら、序盤からぐいっと映画に腕を引っ張られて、観ていました。大槻美奈の音楽が非常に心地よく、それでありながら物語に寄り添ったりリードしたり交差したり。きちんと映画と音楽が合わさっている、と感じました。誰しも、何かを生むために生まれてきたんだとおもっています。そのことを再認識させてくれる作品でした。ーーー久保泉(TOKYO CULTUART by BEAMS)

非常に素晴らしかったと思います。演奏シーンとその音楽が、物語のそれまでの流れに名前をつけて規定するような、そんな印象を受けました。決して浮いてるわけではなく、かといって添え物でもなく、カメラの立ち位置を含め、孤独な人生の同伴者たる音楽が登場人物に寄り添っているような世界を感じました。グッときました。素晴らしかったです。ーーー勝村俊之(シネマ・ロサ/企画・編成)

大学卒業までの短い時の中で将来的について現実と理想について思い悩む姿を同世代の大槻美奈さんの切ない声と歌詞が深くさせている。ーーー下北沢映画祭実行委員会

どうも登場人物のセリフが浮いてるような気がして。映画を作ってる人たちの話なのに、それは致命的なんじゃないだろうか。音楽の使い方も物語と分離してるようにしか見えない。監督が大槻美奈さんに惚れ込んでる(そしてわたしも素晴らしい歌声だと思った)のはわかるだけに歌の扱い方はもっと考えれたんじゃないか、となんだか悔しい気持ちに。ーーー石田(元町映画館)

大槻美奈というアーティストを発見できただけでも大いに価値のある作品と思います。ストーリーが音楽にもっとついていけたら良かったと思いますが、作り手の熱は感じました。ーーー黒澤佳朗(G-Shelter)

監督が自分自身の葛藤を映画にしたような印象。それが強い印象を残すところもあれば、他人の悩みを聞かされているような冷めた心持ちになるところも。登場人物の感情の動きはすべて行動と言葉にはっきりくっきりと現れているのでわかりやすいがちょっと情緒に欠ける。音楽の力はとても強く、監督が大槻美奈さんに惚れ込んでいるのがよくわかる。が、肝心の“映画を作るために生まれてきた”襟加について描きこまれていないのが残念。ーーー林未来(元町映画館)