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LINEUP[配給作品]

書くが、まま(2018)



2.9(土)-2.15(金) K’s cinemaにて1週間限定ロードショー!

MOOSIC LAB 2018 【長編部門】観客賞・最優秀女優賞(中村守里)受賞作品

『書くが、まま』

出演:中村守里、長谷川葉生、渡邉空美、梅田 凜乃、松原瑚春、大根田良樹、富岡英里子

監督:上村奈帆|音楽・劇中歌:SWANKY DOGS|企画:直井卓俊|プロデューサー:林健太郎|撮影:野口高遠|照明:瀬戸詩織|録音:横田彰文|美術:寺尾淳|衣装:萬行優|ヘアメイク:太田翔子|助監督:長谷川卓也|制作:佐直輝尚|スチール:飯田愛|MA:佐藤こうじ(Sugar Sound)|カラー|ステレオ|77分

主演にラストアイドルから派生したユニット”LoveCocchi”の中村守里、音楽に盛岡のロックバンド”SWANKY DOGS”という異色の組み合わせを率いた上村監督が熱量たっぷりに描くストレートな青春。MOOSIC LAB初の盛岡ロケも敢行!

◉上村奈帆(かみむら・なほ)

自主映画「蒼のざらざら」を監督脚本後、ドラマ「&美少女 NEXT GIRL meets Tokyo」第2話「下高井戸×PM5:20」(古厩智之監督)や、映画「ばぁちゃんロード」(篠原哲雄監督)などの脚本を執筆。‬

◉SWANKY DOGS

岩手県出身の3ピースロックバンド。数々のアーティストと共演しライブバンドとして力をつける。年間約100本に及ぶ全国ツアーや、各地のフェスやイベントにも出演、ライブを軸に活動の幅を広げる。2017年、ミニアルバム「イデア」をリリース。

◼︎審査員講評

書くことでしか心のうちを表現できない少女と、彼女を受け止める養護教諭の物語を通じて、作り手が描きたかったのは心の自由をめぐる闘いだったのだと思います。少女の無垢な心は、いずれ消えてなくなってしまうかもしれない。いや、消えてなくなってしまうと知っているからこそ、かつて少女だった教諭は、彼女の心の自由を守り抜こうとします。脚本、演出、芝居、どれも圧倒的。作り手の切実さが作品の端々まで行きわたり、少女と教諭の心を切実なものとして感じることができました。ーーー門間雄介(映画評論家)

非常にエモーショナルな作品だったと思います。音楽が生み出されていくシーンのドキュメント的な撮り方も面白かったですし、それまでの語り口から大幅に浮くことなく描かれていたと思います。何よりも主人公の世界の中に大人が登場する物語でありながら、それがモブのようではなくしっかりと内面を持った大人として描かれ、主人公と対等に人間として描かれていたことに非常に好感を持ちました。書くということで爆発させるのではなく、そのもっと前の衝動のような、他者とともに走り出してしまうことにも登場人物への愛情のような洞察を感じました。大変素晴らしい仕事をしたと思います。ーーー勝村俊之(シネマ・ロサ/企画・編成)

一捻りも何捻りもするムーラボ作品の傾向からすると、清々しいど直球。今回、若者の生きづらさがテーマの作品が多い中、現実を音楽とともにまっすぐ突き破ってみせた唯一の作品でした。ヒロイン中村守里のひたむきな演技がとても生きてました。SWANKY DOGSの音楽も、サブカルチャーの雰囲気強いムーラボコラボアーティストの中では、時代性も飾り気もないものですが、地に足ついた表現が映画に力を与えていたと思います。ーーー黒澤佳朗(G-Shelter)

テーマは凡庸なれど、オリジナルの作品にしようという気概が感じられる。監督は善き人であろうとする真っ直ぐな性格なのでしょう、悪意の描き方が手ぬるいところが映画としては説得力に欠けている(反面、監督には好感を持てる)。やや存在感が物足りないながら、音楽への愛も真っ直ぐ伝わります。ーーー林未来(元町映画館)

高校生活の一時を上手に表現した作品、主人公がいじめにあいながら思い悩みながら最後は人のために行動を起こす、心の動きなどがよく表現されている。ーーー下北沢映画祭実行委員会

学園もの、女子高生ものが多い中で、子供だけの世界で終わらせず大人との関わりも描いていてよかったーーー映画チア部

「うさぎって、寂しいと死ぬんだよね」ってどこかでよく聞いてきたし、この映画でもその台詞は出てきます。けれど、この映画でのうさぎ、って、学校にいる全員のことのようでした。生徒も、先生も、子供も、大人も、学校そのものも。みんなどこか寂しくて、誰かを求めて、ひとりぼっちだと死んでいるようにおもわれてしまう(決してそうじゃないのに、学校という枠から出るとひとりぼっちってなんて素晴らしいんだとおもえるのに)。いくつも書き留めたい台詞がありました。うさぎになってた学生時代にこの作品に出会えていたのならば確実に救われていました。主人公が左利きでひたすらに、ひたむきに、書いてゆくところが好きでした。主演の中村守里さんの目と手の演技、声にならない声が素晴らしかったです。ーーー久保泉(TOKYO CULTUART by BEAMS)

中盤に至るまでの主人公と保険室の先生との関わり合いの描写は繊細で素敵でした。それだけに終盤の音楽が入ってからが、もはや違う作品じゃないかと思うくらいに熱量がすごくて。監督の音楽に対する想いが熱い分、少し引いた目で見てしまった自分がいた。ーーー石田(元町映画館)