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LINEUP[配給作品]

いつか輝いていた彼女は(2018)

4.19(金)-4.25(木)UPLINK吉祥寺にて限定レイトショー
MOOSIC LAB 2018 【長編部門】スペシャル・メンション(日高七海)受賞作品

『いつか輝いていた彼女は』

出演:小倉青、mahocato・やすだちひろ・KJ(MINT mate box)、里内伽奈、日高七海、柳澤果那、日高陽菜子、野仲美穂、東吾優希、近永知里、柿沼美保、藤井咲彩、宮下絵美、谷川雛多、望月紗依、有泉愛衣、勝又啓太、十夢

監督・ 脚本・編集:前田聖来|劇中歌: MINT mate box|監督補・音楽:鯨岡弘識|助監督:岩瀬航、山本航平|撮影:原山星舟|録音:中尾功俊、岩瀬航|照明:島田翔、上田勇熙、稲生賢哉、岩瀬航|制作:ユ・ウンビ、野仲美穂|ギター指導:門野悠帆|カラー|スタンダード|35min

主題歌・出演に人気急上昇中のバンド”MINT mate box”×女優出身の新鋭監督・前田聖来のコラボで描く、女子高生たちの夢と嫉妬を切り取ったビターテイストな青春群像。ミスiDの小倉青主演を主演に迎え、女心の表と裏を軽快な会話劇で紡いでいく。

◉前田聖来

1996年生まれ。2010年から女優として活動。TVドラマやバラエティ、映画などで活躍した後、女優業を引退。「さわる」「朝にかえる」などの短編映画を監督し、映画製作を始める。現在は社会人1年目。

◉MINT mate box

2016年、mahocato (Vo)とやすだちひろ (Ba)、Kj (Gt) を中心に 東京で結成。同年夏、サウンドプロデューサーとして元”ふぇのたす”のヤマモトショウを迎えて楽曲制作を開始。ファッションデザイナーとしても活躍する”やすだちひろ” を筆頭に各方面 から注目が集まっている。

◼︎審査員講評

まだラフなぶんだけ伸びしろがでかそうな『いつか輝いていた彼女は』に強く惹かれてしまった。今回、女子高生メインだったり学園系の青春映画が全体の半数を占めており、それぞれ個性的で良かったのだけど、学校を舞台にすると「画が似てくる」きらいがどうしてもある。その点、前田聖来監督の目線の潜在的スケールは学校を超えているというか。女子同士の自意識の小競り合いやセコいパワーゲームを見つめるシニカル度数が際立っており、数年の推移ながら諸行無常の感触まで漂うところにおののきました。今度は35分じゃなく95分くらいの物語を書いて!ーーー森直人(映画評論家)

学校ってただでさえ、監獄、収容所っぽいのに地方で芸能科がある高校ってそれだけで地獄味が溢れてます。高校生なんて何にでもなれるし、何者でもないのに、「芸能科」という何者になることを求めてくるなんて自意識の生産ライン、フル稼働しているじゃないですか。おかげさまで女の絶妙なマウンティングを取り合う、さりげなくディスり合う会話の見本市に。「読モのくせにマスクする~?」「読モのオーディション受けていたらしいよ」とか彼女たちにとって「読者モデル」でも何者かになっている事がどれだけ脅威なのか痛いほど伝わってくる。地獄を見せられた後だから「最初すげえゆるいな」と思っていたmahocatoの言葉が全然違った印象に聞こえる。あと、抜け出せもしなかった小倉青演じる茜の虚無感たるや。「青春っていつも何かが足りない」と歌い、屋上でギターを壊すシーンはしばらく忘れられそうにない。この街の片隅で茜を見つけたいと思っている。ーーー大下直人(Kisssh-Kissssssh映画祭)

端正な絵作りと丁寧な演出。良い意味で優等生的な作品に2面性を持たせることで幅が大きく広がっているように感じた。なにかもうひとつ突き抜けたものがあれば。とはいえ、監督の今後が一番気になる作品だった。ーーー下北沢映画祭実行委員会

日高七海は伊藤沙莉に似た雰囲気を感じる。悪役が似合う。ムーラボ3作品に出演しており、その中で全く違う役柄があれば確実に推していたが、すべて同じ様な系統の役だったので他のタイプの演技も見てみたかった。ーーー映画チア部

去っていったものと残されたものを、過去と現在で比重を変えて描いていて、非常にうまいなと感じました。ただ、全体的なうねりがもう少しあったら、といった印象を持ちました。ーーー勝村俊之(シネマ・ロサ/企画・編成)

「彼女」とは、一体誰を指すのか。誰から見た「彼女」なのか、を考えながら観ていました。小倉青さんの存在感たるや!佇んでいるだけで絵になる映画になる君になる彼女になる。人生とは選択である、といつか誰かが教えてくれましたが、そのことをつよく思い出しました。こうだったかもしれない、そうだったかもしれない。けれど、それでも、「彼女」の眼光は輝いている。ーーー久保泉(TOKYO CULTUART by BEAMS)

小倉青さん、という存在をこの映画で初めて知ったのだけど恐ろしいほど画面の中心にいるのに相応しい。ここまでくるとただの願望なんだけど、死ぬまで気高い彼女でいて欲しかった。尺がもっと長ければ、と感じてしまうあたりが惜しい点か。ーーー石田(元町映画館)

女子のリアルの描写がすごいですね。。小倉青の佇まいの、ストーリーへの説得力がすごい。。MINT mate box と生きる映画になってるか疑問なので、とても惜しいな〜という気持ちです。ーーー黒澤佳朗(G-Shelter)

大きなギターを大儀そうに抱える華奢な身体。持ちきれないその大きさは青春そのもののようで、未熟な力で一度や二度叩きつけただけでは壊れてくれない、本当に荷が重い存在。女の子たちの会話は即興のような生々しい含意に満ちていて良かった。映画として成立しきれていないところが(長編部門なのに!)残念。ーーー林未来(元町映画館)