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電気100%(2016)



MOOSIC LAB 2016 審査員特別賞

『電気100%』

監督・撮影・アニメーション・出演:幸洋子|音楽・出演:食品まつり|サウンドデザイン:滝野ますみ|企画:直井卓俊|10分

 

奇才クリエイター・幸洋子がトラックメイカー・食品まつりとのコラボレーション!タイと日本を繋ぐ実写×アニメーション×ドキュメンタリー×フィクションとあらゆる素材を使った異色作品!?

◉幸洋子

高知県生まれ。様々な素材を用い、アニメーション、実写、映像インスタレーションを制作し、上映、展示をしている。2014美術手帖presentsシブカル祭。 グランプリ、TBS digicon6 Japan最優秀賞、新 千歳国際アニメーション映画祭2015グランプリ

◉食品まつり

a.k.a foodman 横浜在住 トラックメイカー/DJ/絵描き


■審査員講評

なんとなく観ているとこれ何が言いたいのかなと思ってたんですが、会話(内容も)も含めて音楽っぽいなこれはと思い出してからは虜に。ーーー小田佑二(宇都宮ヒカリ座)

音楽というよりも音風景(サウンドスケープ)とでも呼ぶべきサウンドトラックと色々なものを寄せ集めたブリコラージュ的映像のコラボレーションは興味深く、その「ゆるさ」や「まったり」感には不思議な魅力があるが、映画館という空間よりもギャラリーや美術館という空間に似合う、映画というよりは映像インスタレーション(現代アート)。「MOOSIC LAB」の枠外の作品だろう。ーーー松本CINEMAセレクト

幸さんのアニメーションと食品まつりさんの音楽、そしてなぜか旅トーク。実力派の両者が、あえてアンバランスな脱力系作品を作り上げてくれて、私はとても楽しく心豊かになれました。嬉しい一作です。ーーー遠田孝一(プロデューサー)

湯船で痴話げんか に発展してほしかった。ーーー木下茂樹(テレビ西日本)

大画面のスクリーンで、視界全体で鑑賞したとき、この作品は人の思い出の中に入り込んだような感覚を与えてくれました。私も多くの国を旅しましたが、あぁ、確かに旅の風景、音、味、においはこんな風に記憶されているな〜と気づかされました。会話音が響く銭湯を選んだことも、思い出の中にいるような感覚にさせてくれたひとつの要因です。また、登場人物は声だけ、しかも銭湯での会話だけというのも斬新で、このエッジの効いた感性に、特別賞をあげたいと思いました。ーーー高橋恵(下北沢映画祭)

雑誌のページのようなマンガのコマのようなで最初はこれをどう観たらという戸惑いがありました。タイの風景から後半不意に浮遊しながら入ってくるアニメーションはすごく良くて、ここは何回も観たいなあと思いました。大きな画面で見たらかなり引き込まれるのではないかと思います。MOOSICLABなので音楽と思いながらも、使われている音楽より日常に飛び回っている音が音楽のようにも思われ、強く音楽を意識したまま映画を終えてしまいました。ーーー菅原睦子(仙台短篇映画祭)

「はいはい、ちょっとアヴァンギャルドなアニメね」とタカをくくっていたら、いきなり、男女二人がごく自然な流れで銭湯に入り、タイ旅行の話をし始めたので襟を正しました。でも、別に男女二人が銭湯に入っている画なんて描かれないんですよ、ラジオみたいに生の会話垂れ流しで。それがなんか…エロいんですよ…。途中、しばらくタイ旅行の話になるんですが、タイ旅行時の写真、映像、Instagram、facebookの投稿など面の情報が繋がっていき、だんだん何か球体のように見えてきました。人の記憶というのはのっぺりした平面みたいもんじゃなくて、奥行きのあるというか、なんというかVR的だなとしみじみ感じました。とにかく、心地良い狂気に身を任せ、合法的トリップに興じられるムーラボらしい電子ドラックムービーでやした!ーーー大下直人(Kisssh-Kissssssh映画祭)(

特別賞に推しました。食品まつりさんのトラックと映像のマッシュアップに陶酔しましたし、何より銭湯で一緒になる男女が、タイの文化の話の中でナチュラルに音楽の話に移行していくところが、会話として良かったです。ただ、これってそもそも混浴なんですよね。どういうシチュエーションなんでしょうか。導入部分で、友だち関係の男女が「どうもどうも」で一緒になって、「じゃ、また」で去って行く関係性って、何なのでしょうか。そのあたりのお話がちゃんと見たかったです。だから、VJ的というか、どうしても実験映像枠から出ていなかったのかもしれません。ーーー田辺ユウキ(ライター)

これは…いきなり黄色い国に拉致された気分。独自路線すぎて、ちょっと他の作品と同列に並べてどうこうというものではない気がする。新しいジャンルなのか?いやしかし…。ーーー田中誠一(立誠シネマ)

むしろ、気楽な『電気100%』に「インターネットラブ」を強く感じました。風呂でだべってるだけだけど、あまりにもいい塩梅、食品まつりのトラックも相性良く未来の映画のよう。映像自体が動画化されたW・ギブソン『ニューロマンサー』の装丁のよう。ーーー西島大介(DJまほうつかい)

今回1番好きな作品です!!内容はただのおしゃべりなのに、映像の目新しさ、それにマッチしてる音楽、尺、全てがちょうどいい湯加減!!!混浴の様子が全く見えなくて逆に漂うエロさがまた良いですね。個人的にムーラボでは、このくらいの尺感と自由さのある作品をたくさん見たいです。ーーー黒澤佳朗(沖縄G-Shelter)

電子の音のキラキラが湯気で曇って滲んでカドを丸めてぽすんぽすんと耳に落ちてくる、湯けむりタイトリップ。MOOSICでしか実現し得ないような作品であり、またこの作品があったからこそ今年もMOOSICらしさが維持されているという気がする。ーーー林未来(元町映画館)

完成度高けえ!と、堪能しました。音と映像で緻密に誘導される心地よい脱力感。3Dで観たいー。ーーー溝口徹(横川シネマ)

ゆる~い感じの風呂エコーが効いてくる。このトリップムービーはMOOSICの清涼剤。監督は映画で勝負するというよりは、監督に非ず、作家であった。でもMOOSICの中には必ず1本はこの手の遊び心で楽しませてほしい。ーーー家田祐明(K’s cinema)