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あヴぁんだんドキュ(2016)

MOOSIC LAB 2016 コンペティション 公式出品作品

『あヴぁんだんドキュ』

出演:あヴぁんだんど

監督:ぱくみゆう|音楽:あヴぁんだんど|企画:直井卓俊

関西から突撃の19歳の映画監督・ぱくみゆうがカメラか片手にアイドルの運営に飛び込んだ一か八かのセルフドキュメンタリー。カオスな業界の中で彼女が見つけたものは…?

◉ぱくみゆう

東京都出身。立命館大学3年生として現在京都在住。大学入学後、趣味で映像制作をはじめる。2015年の末にいきなりMOOSIC LAB主宰・直井に“あヴぁんだんどと映画を撮りたい”と突撃、勢いでMOOSIC LAB2016への参加が決まった。

◉あヴぁんだんど

14年7月8日デビュー。別グループのオーディション選考から漏れたメンバーにより結成された「見捨てられたアイドル」。本作撮影中にメンバーの星なゆた脱退。4月に東雲好が卒業。そして6月ハーフ美少女、小鳥こたおが加入。いま東京で最もリアルなアイドルグループ。

■審査員講評

今回の中で一番ムーラボらしい作品だと思います。初期衝動から根気強さまでグッときました!ーーー小田佑二(宇都宮ヒカリ座)

審査員特別賞にはBプロで『光と禿』のカップリングとしてがんばった『あヴぁんだんドキュ』を。これはMOOSIC史上に残るド天然大珍作(笑)。「ちゃんと説明できない子」みたいな編集、「思ったことをそのまま言っただけ」なテロップとか、思い出し笑いしてしまうくらい大好きです。自宅のシーン多すぎでしょ!っていう。元気ない時にまた観たいなあ。ーーー森直人(映画評論家)

カンパニー松尾の影響は明白で、あヴぁんだんどと彼女たちをとりまく現実を「私」の視点からシニカルに描き出し、そうすることでシニカルな「私」を優位に描き出すというスタイルを採用しているのだろうが、結果的に、シニカルな「私」よりもタフなあヴぁんだんどが優位に描き出されているのが作品の魅力。いずれにしても、監督はあヴぁんだんどとも彼女たちの音楽とも「出会い」損ねているように思う。ーーー松本CINEMAセレクト

これはリアル?フェイク?この作品はもうどちらでもよいですね。見ていくうちに、ぱくみゆうさん、あヴぁんだんどさん、ぱくさんのご家族、みんな好きになりました。そして、最悪な柴崎さんまで不思議に嫌いを通り越して興味を持ち始めてしまった。ヤバい。ーーー遠田孝一(プロデューサー)

これもまた人生のひとつだと思った。(監督の)ーーー木下茂樹(テレビ西日本)

京都在住の女子大生が東京のリアルなアイドル・あヴぁんだんどに密着するドキュメンタリー。リアルなアイドルのリアルすぎる内幕に迫る様は必見!なのだが、内幕という事実を写すだけではなく、もう少し自分自身の内面を反映できれば、さらに魅力的なセルフドキュメンタリーになったのでは。ただ、アーティストの魅力は非常に良く出ていて、とてもあヴぁだんどに興味を持てました。ーーー松岡宏起(下北沢映画祭)

脱退メンバーや交替の時期のカメラをまわせていたことがこの作品の強さかなと思いました。(撮影前から決まっていたとしても)監督自身の意志をあまり強く感じられなかった分、このタイミングは運もまた作品を映画にするのだと思いました。アイドルが民泊する姿を見て、アイドルのあり方やアイドルってなんだろうと少し考えてしまいました。終始手持ちカメラの不安定さやそこに向けられる彼女たちの表情、近づきながらも踏み込めていけない監督。双方の若さからくる儚さがちゃんと写っていた興味深い作品でした。ーーー菅原睦子(仙台短篇映画祭)

何か既視感があると思ったら、サークル活動でどろどろの人間関係を淡々と愚痴を書いていたあの娘のmixiの日記を読んだ時のあの感じだわ。陰ながら応援したくなる気持ちと若干辟易した気持ちが混ざり合うあの感じ。アイドルを敬愛する女子大生の執念の記録であり、 あヴぁんだんを追ったあの日々を美化した虚偽記憶を垣間見ているよう。あーもっとえげつなさがほしいなー。今年、散々とんでもないドキュメンタリーが上映されたせいか、もっと見世物性が欲しかった。インディーズならありそうな話だから、もっと底を見たい。次は是非とも搾取される側の意地を感じさせるプロレタリア映画を。ーーー大下直人(Kisssh-Kissssssh映画祭)

劇中で監督は、ある人物に向けて「なめられすぎ」など怒りを出しています。確かにその場ではそう憤っているのでしょうが、結局、編集で感情を“付け足す”のは筋道が違う。やるなら、その場でぶつからなきゃ、やり合わなきゃ。ドキュメンタリーの監督として、ズルいと思いました。若い人、未熟な人にオトナがなめてかかるのは、よくあることですよね。でもムカつくなら、闘うならそこでしっかりやるべきだし、そういう動きのある画(形)にしないと。自己防衛の個人ドキュメンタリーになっていました(怒りの矛先の相手のTwitterを、なぜミュートなのか、ブロックしないのか…とか)。確かに監督の心情は汲み取れます。でもせっかくカメラをまわしているのだから。自分の弱さの拠り所に、あヴぁんだんどのメンバーを使うのは、ちょっと違う。「オタクは優しい」という言葉もそうです。好きじゃないものを避けていって出来上がった映像は、映画にならない。結局は何の撮影だったのでしょうか。ーーー田辺ユウキ(CO2宣伝プロデューサー)

構成がない。もしくはどういう狙いでカメラを構え、編集が為されているのかが分からない。グループ運営の柴崎氏の何らかの意志による撮影続行妨害を受け、それとは裏腹にメンバーたちとの直接の繋がりが出来ていて、ではそこからどうするのか?という一番作品としては「おいしい」ところをなぜ「何となくこうなった」ように見せるのか。本当に何となくこうなっていったということなのか。であれば、そこはドキュメンタリーとして攻め時をスルーしたと言うしかない。脱退したメンバーに対しても残るメンバーにとって、このグループは何なのか、アイドルを続ける/辞めるということは何なのか、突っ込んでいない。後に柴崎氏がクビになったと出て来るが、そこもかなりツッコミどころなのに。ドキュメンタリーとしてやらなければならない、考えなければならない部分がごっぞり抜けおちている甘さに終始している。あヴぁんだんどメンバーの逞しさは伝わってきたが。ーーー田中誠一(立誠シネマ)

SNSの取りが自体が映画となる『あヴぁんだんドキュ』はゆるめなほんわかムードながら、アイドル以上に不思議な存在「アイドル運営」に切り込んだ新しいアイドル映画だと思いました。ーーー西島大介(DJまほうつかい)

監督の勢いが、奇跡的にアイドルの激動時期を切り抜いていて、貴重なドキュメンタリーになっていると思います。大学生の女の子の焦燥感とアイドルの一瞬の輝きが交錯して、ヒリつきました。ーーー黒澤佳朗(沖縄G-Shelter)

撮影はヘタクソだし録音もひどい。なのに感じる熱い“なにか”。得体のしれないこの“なにか”だけでMOOSICに参戦し、良いでも悪いでもなく面白い意味でMOOSICの敷居の低さを呈示することに成功している。ネクストステージへと上がったMOOSICだけに、この作品がある意義は大きい。ーーー林未来(元町映画館)

なにが撮りたいのかも覚束ない冒頭のライブから、あヴぁんだんど全員がちゃんと魅力的に映る4人体制最後のライブへ。映像の成長をそのまま出演者の成長に重ねて、好感度が増しました。ーーー溝口徹(横川シネマ)

三歩進んで三歩下がり、前へ進んではいないけど、同じ立ち位置で、その場で高くジャンプする彼女たちアイドルは強い。嘗ての80年代パンクムーブメントのアンダーグラウンドシーンは形を変えて地下アイドルシーンに存在しているようにも思える。ーーー家田祐明(K’s cinema)