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ねもしすたぁ(2015)

MOOSIC LAB 2015 審査員特別賞/ミュージシャン賞(せのしすたぁ)

『ねもしすたぁ』

監督・脚本:根本宗子|音楽:せのしすたぁ|出演:せのしすたぁ、根本宗子、梨木智香(月刊「根本宗子」)、大竹沙絵子、あやか、尾崎桃子ほか

★初の地方公演として某音楽フェスに呼ばれた劇団の月刊「根本宗子」チームと、福井のアイドルグループ”せのしすたぁ”の出会いが奇跡を起こす!?今最も勢いのある2組とも言える、人気アイドル”せのしすたぁ”×劇作家・根本宗子のタッグで送る、今しかない、やるしかない、新たなアイドル映画の決定版!(カラー/50分)

◉根本宗子

1989年東京都出身、19歳で劇団月刊「根本宗子」旗揚げ。劇作家、演出家、役者として活動中。劇団公演ではすべての作品の作、演出を手掛け、女優としても外部作品に多数出演。最近ではWEBドラマ「女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。」の脚本を手がけ、演劇以外での精力的に活動中。

◉せのしすたぁ

福井県のアイドルグループ。メンバーはみか、ゆーたん、まおの3人組。福井県のご当地アイドル「アミ〜ガス」からの派生ユニットで主に県外を中心に活動をしている。楽曲は聴きやすいダンスチューンでありながら激しいアジテーションとライブパフォーマンスがウリ。必ずフロアを盛り上げる。2015年5月には親交の深いNATURE DANGER GANGとコラボ曲も発表するなど、アイドルシーン以外でも積極的に活動をしている。

※審査講評

「巧さ」という意味では浮上するのですが、むしろソツのない達者さが熱量の伝達を遮っているような気がしました。(森直人/映画評論家)

根本宗子監督、せのしすたぁの「バンド感」が気に入りました。せのしすたぁのメンバー・みかさんが、ヘンテコなフェスに連れてこられて「私、何のために大学休んだんだろう」と不満を言う場面がありますが、「アイドルをやっていくことは大変なんだ」というごく普通な感想も含め、それらすべてが、彼女たちが「音楽」を築き上げるための、まさにリアルな側面。劇中では、そういった過程を経て月刊「根本宗子」とコラボレーションを目指していく。この一体感に魅入りました。(田辺ユウキ)

大したことないドラマなのだけど、だからこそラストのライブが生み出すカタルシスの凄み!たった1人でステージに上がって歌い出すまおちゃんの姿に理解不能なまでの熱がこみ上げる。かわいいのかかわいくないのかわかんない顔も(失礼)表情の乏しさも妙にハスキーな声もすべてあの瞬間のためにあるのだと思えたくらいに輝いてました。(林未来/元町映画館)

エンディングはまさかのせのしすたぁさんの楽曲が2回も!本編+エンドクレジットで同じ曲(笑)!ストーリーのはちゃめちゃ感も好きです。佐野和真君は二枚目のうえ、まさかのおそ松くん!!!!(ネタばれてます)(飯塚冬酒/横濱HAPPY MUSIC!映画祭)

温泉地の音楽フェスに呼ばれた月刊「根本宗子」チームと福井のアイドルグループせのしすたぁの超協力タッグでしたが、どちらの魅力もバッチリながら二組の「かけ算」ではなく「足し算」になってしまっていたのが少し残念でした。それでも随所にみられる「根本節」だったり、ラストのライブシーンにはぐっときました!(松岡/下北沢映画祭運営委員会)

作家×音楽の構図を、劇団×アイドルの組ませ方でガッチリ成功していました。根本さんの縦横無尽の活躍ぶりによる所が大きいと思います。『当て書きしかできない』という作中でのセリフそのままに、根本さんの客観的な目線、感情移入しやすい役どころ、テーマ曲の歌詞、すべて完璧でした!!主張しすぎない役なので、あえての女優賞推しですが、ムーラボ2015MVP賞というのがあればダントツ根本さんを推します!!グランプリに推してはいますが、作品としてはちょっと小粒な印象。アイドルのかける魔法とか感動とか、そういう所をもっと引き出してほしかったかも。(黒澤佳朗/G-Shelter)

すっごい面白かったです。ギャラない、食えない、メンタル弱る、太る、繋がる、最終的にいろいろどうでもよくなる、運営も手放す、ファンすらどうでもよくなる。そんな現代のアイドルの飽和&地崩れ状態を、コメディとして的確に打ち返した作品。芸達者な出演陣の中でアイドル「せのしすたぁ」の「まお」さんのむき出しの存在感(場末感しかないハスキーボイス、率直に太っている等)が印象的。推せる要素のないせのしすたぁのはずが、エンディング近くでは「がんばれ!」と応援してしまうのは、映画が作り出した奇跡ゆえだと思います。状況を整理すべく監督の解説が始まったり、急にナレーション流れたり、一件無茶で乱暴なんですけど、実は鋭く要点をまとめており、伏線回収もとても丁寧。笑いの畳み掛けの中に切なさもあり、つまりエンタメ王道。とにかく勢いのある根本宗子監督の演出力、構成力、機動力が圧倒的で、演出家としてのタフさを感じました。クドカンになりうる大器。ねもしすたぁフジロック出ちゃいそう。(西島大介/漫画家)

アイドルって大変ですね。(松村厚/第七藝術劇場)

見終わって、何も残ってない(笑)。楽しかった感覚と仄かな熱量の余韻。ゆるさを味方につける小ワザも効いてて、クライマックスとエンドクレジットの二段攻撃の多幸感まで、巧者ぶりを堪能。ヒロインをまおさんに絞ることで一見不器用な印象を与えつつ、したたかにまとめ上げた女子の戦略にコロリと手玉に取られたって事かもしれないけど。(溝口徹/横川シネマ!!)

ラストのこの曲のために向けてつくった、アイドル誕生のプロモーション映画のように感じた。沢山の女子がでてくるが、お話自体はシンプルで、それゆえそれぞれのキャラクターがもう少し見えてくると、もっと楽しめたかなあと思った。出演者にふわっとちょこっと触れてみましたという感じを受けたので、登場人物たちのもっともっとはじけた部分が観てみたかったなあと、見終わって真っ先に思った。(菅原睦子/仙台短篇映画祭)

一言で言うと、好きです。同時に、非常にクレバーだと思いました。ゆえに観るのがしんどくない。しかし、それ以上の何かがあったか。タイトルの「ねもしすたぁ」のようなフュージョンの瞬間的な奇跡(まさにMOOSIC=映画と音楽の交錯が生むナニモノカが立ち上がる瞬間)がなかったことが残念です。ついつい病みつきになってしまうフェティシズムを刺激する役者さんの仕草やテンポで見せる展開を随所に配するだけでは、映画もMOOSICも立ち上がってはこないはずです。この企画に賭けられた何かが一瞬でも見られれば…。(田中誠一/立誠シネマ)

アイドル・せのしすたぁと劇団月刊「根本宗子」。バラバラになった女の子たちの本音と本気が共闘する!やっぱアイドルは走らなくちゃ!(大浦/シネマスコーレ)ねもしゅー、根本さん、根本宗子。私は根本宗子が羨ましい。どんなに美人の女優やスタイルのいいモデルよりも根本宗子が羨ましい。才能あるし、サブカルだし、ちょっと変だし、ポップだし、可愛い。かつて本谷有希子を初めて見た時のような衝撃だ。劇作家なのに可愛いなんて超ずるい。しかも、平成元年生まれの同い年…。私だって根本宗子と演劇やりたい。根本宗子と映画作りたい。根本宗子と友達になりたい!なんて、思ってしまった。まおちゃんの言葉がこの映画の本質だ。「死にたい」も「つらい」も形骸化して、もう重さなんてどこかへ行ってしまった今、残るのは「もっとすごいところへ行きたい」という気持ちだけだ。「いつだって私の完全勝利」、名曲!!(榊原/シネマスコーレ)

加賀温泉には行ったことがあるので、懐かしかったです。まおちゃんの野太い声がとてもキュートでした!演出はちょっと寒かったです。根本さんのダンスがキレキレでした。(コムアイ/水曜日のカンパネラ)

地味なローカルアイドルと東京の小さな劇団という「今どき」な組み合わせ(お題)を高揚感のある物語として消化させる構成力に感心させられた。脚本も担当した監督によるまさに「あて書き」の成果なのか、せのしすたぁのまおをはじめ、登場する全員がそれぞれの持ち味を出しており、ドタバタ騒がしいが嫌味のない愛すべき作品である。(松本CINEMAセレクトSTAFF一同)

今回の審査を終えて、作品コメントを書いていて思った。僕は「打ちのめされてもへこたれない」モノに愛着があるんだ。とにかく福井のアイドル「せのしすたぁ」メンバーまおさんの獅子奮迅振りが輝いている。ちょっとハスキーボイスなのも素敵だ。数多の困難を乗り越え実現する「せのしすたぁ」と月刊「根本宗子」のコラボ。そこで歌うオリジナルソング「いつだって私の完全勝利」。聴けば体温が上がる。この曲の高揚感をまだインディペンデント映画になじみのない新潟のお客さまにも届けたい。(井上経久/新潟シネ・ウインド))

さすがアイドル。ステージ上に楽しさが溢れ、主題歌が耳に張り付きました。しかし、個々のキャラクターのエピソードだけで時間は過ぎ、ライブシーンの楽しさだけが残り、笑って泣いて楽しんでとはいけなかったのは残念でした。(家田祐明/K’s cinema)

演劇(舞台)的な台詞回しや演技と、せのしすたぁのたどたどしい演技が独特な世界を作り上げていた。ラストの「いつだって私の完全勝利」は生歌で聞きたかったけれど、せのしすたぁのライブに行きたくなったし、月刊「根本宗子」の舞台も観に行きたくなった。新谷真弓のダメマネージャーがハマっていて、女優賞をあげたい!(山﨑花奈美/MOOSIC LAB札幌編主宰)

未着(九龍ジョー)