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内回りの二人(2018)



MOOSIC LAB 2018【短編部門】準グランプリ・最優秀女優賞(岡野真也)・男優賞(川籠石駿平)・ミュージシャン賞(町あかり)

『内回りの二人』

出演:川籠石駿平、岡野真也

■監督・脚本:柴野太朗|劇中歌制作:町あかり|撮影 : 北川弦己、岡田翔|録音 : 井上湧|衣裳・ヘアメイク : 永野 百合子|カラー|STEREO|30min(予定)

昨年のムーラボで「KILLER TUNE RADIO」を発表した柴野太朗が町あかりとのタッグで送る後ろ向き&内回りなワンナイト・ストーリー。

◎柴野太朗(しばの・たろう)

「モラトリアム・カットアップ」で第9回田辺・弁慶映画祭グランプリ・PFFアワード2015入選。MOOSIC LAB 2017長編部門に「KILLER TUNE RADIO」で参加。MVなどの映像制作・編集・音響エンジニア・DJ・グラフィックデザインなど幅広いジャンルで活躍中。

◉町あかり

平成生まれながら昭和の歌謡曲を愛し、数々の名曲を量産。2014年、電気グルーヴ25周年記念ライブにオープニングアクトとして出演。MOOSIC LAB 2014「あんこまん」でミュージシャン賞を受賞。2015年に「ア、町あかり」でメジャーデビュー。

◉The Whoops

埼玉県北浦和発、3ピースロックバンド。メンバーチェンジを経て2013年9月に現メンバーになる。淡い気持ち、景色など、10代から20代にかけて変わってしまうことを歌っています。ドキドキするバンドになりたい。

◼︎審査員講評

映画と音楽の融合”という点で、これ以上はない作品。役者の魅力を引き出しながら、ファンとアイドル、男と女の狭間にある感情の行き来を描き、後味もいい。誰もが好きになってしまう作品だと思います。ーーー門間雄介(映画評論家)

とにかく短編の構造として100点。『ビフォア・サンセット』イズムからミュージカル風に展開する際もテンションの移行に無理がない。映画自体が良質のポップソングのように完成された30分で、ロジカルな箱庭の設計力が素晴らしい。あとは語りにもうちょっと愛敬や弾力があれば無双状態になれると思います。ーーー森直人(映画評論家)

恋とスピードが見事に、音楽と電車に乗せて、スクリーンで生き生きとしていました。出だしはオープニング感がとても良くて、胸を掴むというよりも、すぅ、っと溶けて入ってゆくようでした。夜から朝へ、出会って別れて、始まって終わる。夜に始まり、朝に終わる、その設定がとても大人で切なくて良かったです。音楽の町あかりさんの登場に期待していた分、重みがあまりなくてのっぺりとエンドロールを迎えたようでそこだけが残念でした。ですが、岡野さん演じる元アイドルが非常にエモーショナル、でも現実的、で、良かったです。ーーー久保泉(TOKYO CULTUART by BEAMS)

配役・音楽が映画の設定と良く噛み合っており、夜の東京を歩きながら二人によって綴られるストーリーに自然と入り込むことが出来た作品でした。ーーー下北沢映画祭実行委員会

口ずさんでしまうような印象的な音楽と岡本さんの熱演が光っていたと思います。あまり詰め込まなかったせいで、台詞のテンポも心地よく、観ることができました。一方それが、淡々としすぎて、リズムが最後まで一定な感じがしたのは、少しもったいなかったかなと思いました。ーーー勝村俊之(シネマ・ロサ/企画・編成)

山手線沿線の町並みは人工的であるんだけどそれでも美しさを放っていて、時折挟み込まれる主観カットのおかげで劇中の二人と同じように東京の街並みを歩いているような感覚に。歌のシーンが始まった時にそうきたか!と膝を打った。あの曲が耳から離れない。ーーー石田(元町映画館)

スレスレの筋書きなものでどーにも感情移入できなかったですが、綺麗にまとまった構成だったと思います。ーーー黒澤佳朗(G-Shelter)

“いま”に絶妙になじまないその違和感が気になっていた岡野真也が、町あかりの楽曲にジャストフィット!山手線も、夜通し街を歩くことも、うしろ向きアイドルという一見ネタとも思える設定も、すべてが美しく調和していた。敢えて言うなら、バランスが良すぎて突出することが難しいかも。ーーー林未来(元町映画館)

ゆかちゃんの愛した時代(2018)



MOOSIC LAB 2018【短編部門】公式出品作品

『ゆかちゃんの愛した時代』

出演:吐山ゆん、山科圭太、マーク・パンサー、奥田洋平、春野恵子、坂口修一 ほか

■監督・脚本:吐山ゆん(破れタイツ)|音楽:℃-want you!|カラー|STEREO|30min(予定)

昨年のムーラボ短編部門で準グランプリを受賞した破れタイツの吐山ゆんが℃-want you!とのコラボで描く平成が終わる前夜の物語。

◎吐山ゆん(はやま・ゆん)

平成元年(1989年)4月4日生まれ。大学在学中にいとうせいこう氏のしたまちコメディ映画祭2011にてグランプリを含む3冠の受賞をきっかけに同級生の西本マキとガールズ映画監督ユニット破れタイツを結成。個人では役者も行う。今回は自身の生まれた時代「平成」が終わる前に平成追悼ムービーを撮るべく学生ぶりに単独監督で挑戦!

◉℃-want you!(シー・ウォンチュ)

Magic, Drums & Loveのキーボーディスト。身長146cm。SNSで密かに発表された宅録ポップソング群が一部音楽マニアの間で話題となり、漫画家・本秀康氏主宰の雷音レコードより、2017年11月3日にソロデビュー。プロデュースは、「恋するフォーチュンクッキー」の武藤星児氏が担当。現在までに3枚の7inchレコードをリリースしている。

◼︎審査員講評

手垢がついた表現であることは重々承知しておりますが、平成最後のMOOSIC LABですからねえ、誰かこすられまくった「平成最後」ネタを扱ってくれないかなと思っていたらやってくれましたね!しかも、平成最後の夜。絶対どこかのテレビ局でやりそうな内容ですが、見事に先取りしましたね!平成生まれには堪らないネタの数々、素人参加型のバラエティ、モーニング娘、そしてマークパンサー!!! ℃-want you!の音楽があまりに自然過ぎて、純粋に当時の楽曲を聴いているようでした。平成最後と言われると「お前らの時代も終わりだから。もう若くないから」と言われているような気がしてならないけど「俺たちはまだ何かやれる!」と強く思わせてくれるような映画でした。吐山監督、ありがとう!ーーー大下直人(Kisssh-Kissssssh映画祭)

平成、終わっちゃうんだなあ、としみじみ。かくいう私も平成5年生まれ。平成とともに生きてきた。小学生の時はゆかちゃんと同じようにアイドルに傾倒したし。この映画のようにわたしたちの生きた平成に想いを馳せるもの悪くないんじゃないかな、と思ってしまった。ーーー石田(元町映画館)

平成への、音楽への、仲間への思いが満ちあふれた作品。伏線の回収も気持ちよく、短編なのに長編を見終わったあとのような読後感、充足感があった。ーーー下北沢映画祭実行委員会

『日本製造/メイド・イン・ジャパン』と『ゆかちゃんの愛した時代』も充分にグランプリ候補。紛れもなく共に真面目な力作。ただ正直、僕にはコンセプトの方が作品の内実より強いように思えました。ーーー森直人(映画評論家)

自分が小さいころ好きだったものを思い出させてくれる。そんな映画だった。未来のこととか、わかんないことだらけでふわふわしてるけど、自分が生きてきた過去のことはちゃんと存在していた証拠があるし、時々思い出しては「あの時楽しかったな」とかたびたび言っちゃう。それも美化されて楽しかったことしか覚えてなかったりする。平成最後だから何かしようとかとくに思わないけれど、次の時代もまた、素敵な映画や人に出会えますように!ーーー映画チア部

終わりを告げた「平成」に贈るラヴレター。愛がいっぱい詰まっていて、その愛を照れず揶揄せず笑い飛ばさずきちんと描いているので、世代関係なくちゃんと響く佳作。ただMOOSIC LABらしさは感じられず、普通のドラマに終始している。“普通に”良いんですけどね。ーーー林未来(元町映画館)

もう少し音楽との関わりが強ければとも思いましたが、キャスト二人の掛け合いも楽しく、非常に面白かったです。ーーー勝村俊之(シネマ・ロサ/企画・編成)

デッドバケーション(2018)



MOOSIC LAB 2018 【短編部門】ミュージシャン賞(GALAXIEDEAD)、女優賞(原愛音)

『デッドバケーション』

出演:原愛音、GALAXIEDEAD、岩井拳士朗、生越千晴、亀田侑樹、ニクまろ

■監督・脚本:八幡貴美|音楽: GALAXIEDEAD|カラー|STEREO|30min(予定)

「ヒゲとレインコート」が予告編大賞で大根仁賞を受賞した社会人監督・八幡貴美と孤高のロックバンドGALAXIEDEADの異色コラボレーション!

◉八幡貴美(やわた・きみ)

多摩美術大学油画卒、映像制作会社でプランナーを経てディレクターに。2011年初オリジナル短編「色声」ゆうばり、山形、広島ダマー、各映画祭に入選。ロサンゼルスアジアパシフィック映画祭でも上映される。2018年未完成映画予告編大賞「ヒゲとレインコート」が大根仁賞受賞。大根監督に「全面的に支持します」とコメントをもらう。変態も美しく撮る演出力でムーラボ初参戦!@kimikimi0217

◉GALAXIEDEAD(ぎゃらくしーでっど)


2014年暮れから一人で録音を開始。バンド活動や楽曲提供等の活動を広げて、2018年に8曲入りミニアルバム「やさしいスポンジ」をリリース。少し話題を呼んだ。現在は友人達とフルアルバムを製作中。https://youtu.be/60dRJcy0ocA

◼︎審査員講評

ミュージシャンの幽霊と女の子の話ってド直球に自主制作っぽいというかMOOSICっぽい気がするけど新鮮だし、登場人物愛おしいし、「何度でも観たい!」「あの世界の奴らに会いたい」と思えるような作品でした。特にGALAXIEDEADの音楽に乗せたMV風のシーンが多幸感に溢れている!あと、原愛音に会えたことが一番の幸運だったと感じています。自然体で伸び伸びとしているあの娘、絶対売れちゃうよ。手垢がつく前にもっと出演作を観たい!とりあえず、馬場ふみかのように特撮モノに出演してブレイクしてくれないかなと。あと、ストーリーとしては現世に執着している売れないミュージシャンをいかに成仏させるかという話が主人公のダメ男に対する執着心からの解放みたいな話になるのも新鮮に思えました。ーーー大下直人(Kisssh-Kissssssh映画祭)

個人賞の方で推すことができた『デッドバケーション』はコンセプトの方が作品の内実より強いように思えました。完成度も愛敬もあるんだけど、どこか「コーデ上手」の域というか。なりふり構わずのエモーションに踏み込んでいく野蛮さがあればグッと来るのになと。ーーー森直人(映画評論家)

短編の場合、PV的な印象に終わってしまうことも多いが、本作は日常への音楽の染み込ませ方が素晴らしく、とてもムージックな作品。ルックがとても洗練されている一方、きちんと人間ドラマも描かれていて、いつまでも観ていたいと思わせる表現力があった。ーーー下北沢映画祭実行委員会

短編ながら非常に完成度が高く、物語としてもボリュームを感じました。キャラクターの描きわけもしっかりしていて非常に魅力的だったと思います。ーーー勝村俊之(シネマ・ロサ/企画・編成)

音楽も物語も引き込み能力が最も優れている、と感じました。全く期待も情報もなかったのに、ぐいぐいと胸にやってくる。登場人物が愛おしい、可愛い、大好き!!!!期待をいい意味で裏切られました‥。ムーラボらしい一作。ちょっと胸がくすぐられて、ちょっと切なくて。ライトで観やすいのに、確り物語が焼きつく作品でした。ーーー久保泉(TOKYO CULTUART by BEAMS)

見終わってすぐGALAXIEDEADを検索。なんだこの優しい歌は。それに寄り添うようなストーリーラインも素敵。主演の原愛音さん(初めて拝見しました)の未完成な魅力に、光を当てて輝かせるような絵作り。ーーー石田(元町映画館)

沖縄のアーティストが初コラボ&主演でとても喜んでいたのですが、良作だったのでとても嬉しい!!!!!!デッドさんは本人のキャラのまま映画で生きて、、いや、見事に死んでました。ちょいちょい散りばめられた濃いキャラは卑怯。ーーー黒澤佳朗(G-Shelter)

ありがちな題材なのに、ちゃんと心にしみた。語られることと語られないことのバランスがとても良く、楽曲の持つ力も最大限有効に活用されている。神様ってインド系なんだ?!というのが本作最大のツボでした。ーーー林未来(元町映画館)

ショパンの姉妹(2018)

MOOSIC LAB 2018 【短編部門】公式出品作品

『ショパンの姉妹(きょうだい)』

出演:佐倉絵麻、川床明日香、國島直希、沖なつ芽、宍戸英紀、大西リカ、高野光平、井出大稀

監督:野平花男|プロデューサー 松嶋翔
監督・脚本:野平花男|撮影:野村昌平|録音:日高成幸|ヘアメイク:野尻七衣|ヘアメイクアシスタント:楠本旭|プロダクションアシスタント 川島真偉功|編集:中里耕介|カラー|STEREO|28min

妄想科学研究所名義で数々のパンチラ撲滅動画の名作を作ってきた知る人ぞ知る映像作家・野平花男がムーラボ初参戦。しかもコラボアーティストはショパン!?

◉野平花男(のひら・はなお)

映像クリエイター。YOUTUBEで「妄想科学研究所」を公開し、チャンネル登録者数は約90000人となり、10万人を目前としている。2017年より「グランドジャンプめちゃ」より『絶対に下着が見えない花屋敷さんの研究と考察』が漫画化。原作・脚本を担当。

◉ショパン

ポーランドの前期ロマン派音楽を代表する作曲家。ピアノの詩人とも呼ばれ、ピアノ音楽の新しい地平を切り開いた偉大な音楽家。今日でも彼の作曲したピアノ曲はクラシック音楽ファン以外にも好まれ、その人気は彼が生誕して200年経った今日でも存在している。/h3>

◼︎審査員講評

LAB=実験という意味で、最も挑戦的な作品。ショパンの楽曲の旋律にセリフの間合いがピタリとハマる瞬間があり、どうやって撮っているんだろう?ととても興味が沸いた。ーーー下北沢映画祭実行委員会

「これはいったい、なんだ?」と観客に思わせる第一位です!おめでとう!時代劇×ショパンなんて、思いっきりおかしくてぶっ飛んでる、ある意味チープな設定なのに、一つ一つの台詞に謎の緊張感を覚えた。時代劇もどき効果とも言えよう。しかし、少々こじんまりしているため、どうせならもっと設定を活かしたマジでやばい大事件が欲しかったかも。次の作品も、しかと見届けとうございます。ーーー映画チア部

古典の面白さをMOOSICに持ち込んで、とても実験的な作品だったと思います。ただ、古典ゆえのセリフに引っ張られてしまい、肝心の音楽が相対的に耳に入ってこなかった印象です。ーーー勝村俊之(シネマ・ロサ/企画・編成)

考えオチの自家中毒に陥ることなく、アイデアを活かしたのが『ショパンの姉妹』だ。歌舞伎がいかに音楽的な表現形式であるかを発見し、作品に新鮮な化学変化をもたらしている。クラシック音楽と歌舞伎の組み合わせの妙にセンスを感じ、その相性の良さにハッとさせられた。歌舞伎演目のなかでも音楽的な「弁天娘女男白浪」のチョイスにも知性を感じさせる。ーーー岩田和明(映画秘宝/編集長)

音楽が映画より前面に出ることなく、美しいショパンがそのまま生き映されているように感じました。そこに噺言葉が相反するようで、意外と相性よく、ショパンの美しさを際立たせていた。しかしながら、言葉を映画の1/3の尺で現代語に変えるなど、変化がよりあれば面白かった印象。だらだらと飽きてしまうような気がします。
ーーー久保泉(TOKYO CULTUART by BEAMS)

コラボアーティスト「ショパン」という発想勝ち。正直ここに何を書いていいのか全く思い浮かばないのですが、こういう作品と出会えるのもムーラボのおかげ、ということで。ーーー石田(元町映画館)

ものすごい実験エンタメ映画でした!歌舞伎の劇伴としてのショパンとか、全く常人の発想ではないですね。ーーー黒澤佳朗(G-Shelter)

MOOSIC LABらしい、思いついたネタで撮りきった短編。こういうのがあると「あー、MOOSIC LABだなあ」と楽しくなる。映画として評価することは難しいが、MOOSICの良きスパイス。ーーー林未来(元町映画館)

リビングファミリー(2018)



MOOSIC LAB 2018【短編部門】公式出品作品

『リビングファミリー』

出演:ジョニー大蔵大臣、千田訓子、大塚菜々穂、未夜

■企画:tea mountain|監督:矢部凜|カラー|STEREO|15min

京都造形芸術大学の学生監督・矢部凜が流浪のSSWジョニー大蔵大臣とのタッグで描く、笑って泣ける1シチュエーションの異色ホームドラマ。

◉矢部凜(やべ・りん)

1997年5月15日生まれ。好きな食べ物は梅干し。京都造形芸術大学映画学科在中の岩橋優花・大塚菜々穂・塩塚迪香・松本笑佳・安井希歩乃・矢部凜からなるパワフル集団『tea mountain』で活動中。Twitter→@tea_mountain_

◉ジョニー大蔵大臣

究極のアコースティックパンクバンド「水中、それは苦しい」のギター&ボーカル。やりたくないことだけを続け、良くない思想やお薬に頼らず不平不満をもらさない活動には定評があり「サマソニ」「あらびき団」映画「モテキ」ドラマ「ヤメゴク」等出演多数。水中、それは苦しい公式サイト http://suichu.jimdo.com/

◼︎審査員講評

ジョニー大蔵大臣のもつコメディ観を映画で再現した作品。ナンセンスなシチュエーションをここまでやり切っていれば文句なしです。清々しさすら感じました。ーーー下北沢映画祭実行委員会

私としてはすごくイライラする家族で、見ていてずっとイライラしていたので、観客をイライラさせようとして撮られた作品であるのなら成功だと思う。パパが突然歌い出した歌が思いのほかとても良い曲だったのでぐっと来たが、この物語的にはパパがめちゃくちゃ音痴だとか、曲が全然よくない方が徹底していて面白いのではないかと思った。ーーー映画チア部

ワンカットのシチュエーションものとして、臨場感があり、登場人物のイライラも伝わってきて面白いのですが、少しオチが弱かったかなと感じました。ーーー勝村俊之(シネマ・ロサ/企画・編成)

毎日、毎朝、どこかで繰り広げられているリビングでのワンシーン。夢見がちな父に対して、母はとても偉大で、その心情が静かに、けれど確かに包丁の音に現れている。父へ全方位、全身、愛情を向けており愛おしい。リビングの構図、カメラワークに現実味がないところが映画的。ラストが少し勿体なかった印象。エンドロールにアフターストーリー(実際にサンタになった写真とか)があるとなお良かったようにおもいます。
ーーー久保泉(TOKYO CULTUART by BEAMNS)

長めの予告編を観た印象。何も始まっていないし、何も終わっていない。ジョニー大蔵大臣の熱量が空回りして見えてしまい残念。ーーー林未来(元町映画館)

下鴨ボーイズドントクライ(2018)



MOOSIC LAB 2018【短編部門】公式出品作品

『下鴨ボーイズドントクライ』

出演:赤染萌、田中怜子、吉田知生、樫尾篤紀、寺内将明、望月陽平

■監督・脚本・編集:篠田知典|プロデューサー:織田昌弘|助監督:松本龍馬|撮影;岩出知也|照明:大西辰弥|録音:松本浩明|美術:里見麻衣|編集:縄手佑基|カラー|STEREO|30min(予定)

「左京区ガールズブラボー」が好評だった篠田監督最新作。人気急上昇中のバレーボウイズとのタッグで、キャストには「アイスと雨音」の田中怜子などを迎えた京都オールロケ映画第2弾!

◉篠田知典(しのだ・とものり)

京都在住。MOOSIC LAB2017『左京区ガールズブラボー』(ミュージシャン賞)。Homecomings、seuss、ベランダ、浪漫革命等多くのバンドのMVを手掛ける。2018年映画『リズと青い鳥』主題歌songbirdsのMVを監督。

◉バレーボウイズ

ノスタルジックで歌謡ライクなメロディと歌のハーモニー、哀愁を帯びたギターで青春の響きを“合唱”のスタイルで聴かせる男女混成グループ。『TOKYO BIG UP!』グランプリ、『FUJI ROCK FESTIVAL 2017』出演。

◼︎審査員講評

ある意味、エモさ爆発の怪作『下鴨ボーイズドントクライ』はヒロインへの集中度がヤバすぎる! 恋する目線の田中怜子アルバム。娘の身を案ずる父親のような気持ちになりました(笑)ーーー森直人(映画評論家)

バレーボウイズの楽曲自体が映像を想起させるものであり、そこに“青春時のおわり”というエモいストーリーが展開し、幸せなコラボだと感じた。ーーー下北沢映画祭実行委員会

舞台が京都、下鴨、さらにクラブメトロが出てくるということもあって興奮したし、それが印象の良さにつながったというのもあるが、ロケ地関係なく、良い映画だったと思う。どれが本当の時間軸なのか、結局本当のところはわからないが、どの世界線の主人公にもこの人生で良かったのか、という後悔が感じられた。見始めた時はただの青臭い青春物語で終わるのかと思っていたが時間が巻き戻る演出、何度も他の世界線で生きていく様子が面白く、長編をみているような満足感があり映画が終わる頃には好きな映画になっていた。ーーー映画チア部

登場人物たちが魅力的に写っていて良かったと思います。爽やかかつノスタルジックで、しっかりした青春映画になっていたと思います。ーーー勝村俊之(シネマ・ロサ/企画・編成)

序盤が非常に魅力的。ぐい、と引き込まれる。特に画面割りが多面で面白かった。物語もポップで展開が読めるにしろ、ライトで良い。ありとあらゆるものを駆使して、監督のこだわり、好き、大切、が、演出されているようにおもいました。音楽としては、バレーボーイズが非常に耳に残る、音が残る。映画としては、冒頭の「君に捧ぐ」と題した映画に準ずるものが少なくわかりずらい、締まりがない印象でした。ーーー久保泉(TOKYO CULTUART by BEAMS)

京都の町並みは映画映えしますね。彼女を捉える彼氏目線の主観ショット、っていうのは今流行りのバンドのMVとかにめちゃくちゃ多用される手法でもあるから、またこういうのかと思ってしまった節はある。でも冒頭の「ゴッドヘルプザガール~」のくだりのせいで、この後どう転んでもこの映画のことは嫌いにならないなっていう確信があった。ーーー石田(元町映画館)

体験談を元にした映画とのことですが、見てられないですね。SFの設定もちゃんとしてほしい。田中怜子ちゃんに何させてるんだ〜!!という変な怒りも(笑)ーーー黒澤佳朗(G-Selter)

「下鴨ボーイズドントクライ」が描くのは、恋愛か、音楽かという、2者択一のストーリー。無理筋なところもありますが、芯にあるものが終始ブレることなく、これもまた役者のよさを十分に引き出して、魅力的な作品に仕上がっていました。ーーー門間雄介(映画評論家)

若い監督が自分自身を投影した甘酸っぱくて甘っちょろい映画を観ると、なんだか嬉しくなる。自身の体験よりもエモくしようと工夫を凝らさない、適度な距離感に好感が持てた。ひとつひとつのショットは練られていない印象もあり、それが平凡な作品にしてしまっているのはちょっと残念。音楽はドラマの重要キーワードでもあるにも関わらず、MOOSIC LABの企画としては音楽の印象が凡庸。田中怜子は『アイスと雨音』よりもさらにその魅力が存分に引き出されていた。監督にとっての仮想(元)彼女だったからかな。ーーー林未来(元町映画館)

日本製造/メイド・イン・ジャパン(2018)



MOOSIC LAB 2018【短編部門】審査員特別賞・観客賞・最優秀男優賞(小西貴大)

『日本製造/メイド・イン・ジャパン』

出演:小西貴大、比嘉梨乃、新谷皓平、土山茜、真魚、杉山薫、山中雄輔、伊藤慶徳、大山真絵子、山本篤士、佐野弘樹

■監督・脚本・編集:松本優作|撮影監督:岸建太朗|プロデューサー:内田英治、藤井宏二|カラー|シネマスコープ|STEREO|30min(予定)

1月にテアトル新宿で公開決定の長編「NOISE」の監督・松本優作がアイドルグループ”ゆるめるモ!”とのコラボで川崎を舞台に描く異色作!

◉松本優作(まつもと・ゆうさく)

1992年生まれ。映画「Noise」が長編デビュー作となる。2019年 テアトル新宿にて公開。 同作はモントリオール世界映画祭、レインダンス映画祭など多数の映画祭に出品。海外メディアでは日本映画第1位、 アジア映画第4位にランクイン。

◉ゆるめるモ!

「 (窮屈な世の中を)ゆるめる」、「You‘ll Melt More!(あなたを もっとトロけさせたい)」という意味をこめて命名された4人組ガールズニューウェーブグループ。孤独や生きづらさを感じる若年世代に寄り添うような歌詞と多彩なジャンルを内包した楽曲を展開している。

◼︎審査員講評

「ときめきに死す」ならぬ「調子こきに死す」ですね。ヤンキー、低所得者、動画配信者、ゴシップ、メディアなどの現代的な要素がたっぷり詰まった寓話。青春モノが多いMOOSICLABの中で社会派かつダークな作品はかなり異色に思えました。全国のYoutuber志望の方や調子こいてる人、そしてメディアに関わる人に参考教材として見せてあげた方がいいかもしれません。小学館の「よく分かる●●シリーズ」みたくゴシップ記事、番組、しいては「噂」の作られ方がよく分かります(まあ全部が全部こんなことだけじゃないだろうけど)。ゆるめるモ!のポップな音楽も「渇き。」のでんぱ組よろしく、いい毒味を出してますね!「日本製造/メイド・イン・ジャパン ゴシップ編」みたく日本の暗部を描いたドラマシリーズとしてNETFLIXとかで配信されないかな。ーーー大下直人(Kisssh-Kissssssh映画祭)

世に転がってる噂話とかみんな大好きだけど、その中の何が嘘かホントかわからない。ホントじゃないかもしれないけど、誰かから聞いた、みんな言ってたとか言ってどんどん広がっていって、そのみんなの中ではホントとして受け入られてしまったりだとか、そういうことが当たり前になるのが怖い。けど、気になる。怖いんだけど、覗きたくなる作品。ーーー映画チア部

音楽は頭にも残らなかったが、ムーラボの異色作『日本製造』の暴力的社会性、悪ガキの暴走にワクワク感で胸躍りました。ーーー家田祐明(K’s cinema)

『日本製造/メイド・イン・ジャパン』と『ゆかちゃんの愛した時代』も充分にグランプリ候補。紛れもなく共に真面目な力作。ただ正直、僕にはコンセプトの方が作品の内実より強いように思えました。ーーー森直人(映画評論家)

現在の報道や取材の闇がすごく表現されている作品。ーーー下北沢映画祭実行委員会

短編らしからぬ重厚感と批評性もあって非常に素晴らしかったですが、MOOSICの上映作品として観ると音楽の扱い方が少し添え物的かなと感じ、疑問に思いました。そうはいっても力のある監督の作品であることには間違い無いと思います。最後まで目を話せない緊張感が持続したのも良かったです。ーーー勝村俊之(シネマ・ロサ/企画・編成)

タイトル通り、日本で生まれ、日本らしい作品。海外に飛び立ったこの作品が、どんな反応となるのか、海外の映画祭などの評価が気になりました。キャスティングが秀逸で、今回のムーラボで一番良かったようにおもいます。特に主演の小西さんがよく良く演じ切ったなあという印象。音楽はパキッと割り切っていて清々しかったです。『渇き。』を彷彿とするものの、物語がその模倣っぽさを完全にカバーしていました。長編でぜひ観たかった一作。ーーー久保泉(TOKYO CULTUART by BEAMS)

個人的に好きすぎました。ムーラボには類を見ない社会派作品というか。だからこそこれはムーラボなのか?問題がつきまとうけど、もうそんなことはどうでもいい!と言わせるだけの映画としての魅力。エンドロールでコラボアーティストゆるめるモ!の楽曲を使わない様には、潔さすら感じた。ーーー石田(元町映画館)

ヤンキー系の描写がすごくリアルなんですが、高校生のころの純真の化身のようなヒガリノが、あんな役やるようになっていたなんて!!!!と、沖縄在住のおじさんは何よりもショック!!!!真魚さんの本物のYoutuberか!と思うほどのキャラ作りも素晴らしく、暴力的で下衆な映画の雰囲気にマッチしてた。ーーー黒澤佳朗(G-Shelter)

30分の短編ながら長編を観た印象。ただ、MOOSIC LABじゃなくて良かったんじゃないかという気持ちが拭い去れない。ゆるめるモ!もユーチューバーも、この作品においてはノイズでしかないが、それらのノイズに作品が負けていないので逆にこの2つを入れた意味自体が消失してしまっている(から、まあいいか)。観ごたえがあり、表現したいことが明確な、力のある監督と感じた。役者も良かった。ーーー林未来(元町映画館)

catfire(2018)



MOOSIC LAB 2018 【短編部門】公式出品作品

『catfire』

出演:出演:狐火、シバノソウ、奥村徹也、木村香代子、木村圭介、津留崎夏子、寺井義貴、松居大悟

■監督:奥村徹也|撮影・編集 高島功毅|カラー|STEREO|30min(予定)

松居大悟率いる劇団ゴジゲンのメンバーでもある奥村徹也監督デビュー作。35歳のラッパー・狐火のリアルを切り取ったフェイクドキュメンタリー。

◉奥村徹也(劇団献身)(おくむら・てつや)

1989年生まれ。岐阜県出身。2014年劇団献身を旗揚げ以降、一貫してコメディ作品を上演。外部では、TVドラマ「まかない荘2」「極道めし」にて脚本を手掛ける。2018年7月11日より、下北沢オフオフシアターにて劇団献身・新作「死にたい夜の外伝」を上演。

◉狐火(きつねび)

福島県出身のラッパー。 2012年、朗読でオーディションを勝ち抜き史上初めてポエトリーリーディングでSUMMER SONICへの出演を果たす。1000組のバンドを黙らせた1本マイク。

◼︎審査講評

愛敬や弾力ありまくりなのが『cat fire』。真面目な作品が多かった今回の中で、すかしっ屁に徹した脱力感が最高でした。バカをやれる知性にしっかり支えられた快作。こういう軽めのチャラい作品を遠慮なく推せるのも短編部門の醍醐味じゃないかなと。ーーー森直人(映画評論家)

それまで知らなかったアーティストの発見の場でもあるMOOSIC LAB。観て以来、狐火が気になって仕方がない。そんな狐火を前に、ただただうろたえる監督、という構図も面白かったが、その距離を踏みこえる何かがラストにあったら、もう少し印象が変わったように思う。ーーー下北沢映画祭実行委員会

ギャップの面白さを十分に味わえる作品だったとは思いますが、少し急ぎすぎた印象もありました。ーーー勝村俊之(シネマ・ロサ/企画・編成)

フェイクドキュメンタリーであることが分かっていても面白い!とにかく面白い。単なるラッパーのドキュメンタリーではなく、物語性が非常に強く、演劇的。ラップシーンの盛り込みもそこか!という箇所があり意表を突かれました。なぜタイトルが『fox』ではなく『cat』なのか。猫の火。それがわかった瞬間、声を出して笑いました。ーーー久保泉(TOKYO CULTUART by BEAMS)

早めの段階でフェイクドキュなんだろうな~って思ったんだけど、エンドロール後でそうだったのかと思わせてくれる構成は面白い。それなら、もっと前半で無茶苦茶やっても良かったんじゃないかと。切り込み方が甘すぎて映画としての味が損なわれてるのが惜しい。ーーー石田(元町映画館)

単なる悪ふざけのように見えかねない作品で、仮にそうだとしても非常に面白いものに仕上がっていると思いますが、一方でこれは音楽を作り手の内面と過剰に結びつけがちな、ジャーナリズムや聴き手に対するアンチテーゼとして辛辣です。音楽へのアプローチも斬新。ーーー門間雄介(映画評論家)

猫に失礼。ーーー萬谷浩幸(加賀温泉郷フェス/主宰)

ドキ死(2018)



MOOSIC LAB 2018 【短編部門】グランプリ・ベストミュージシャン賞(Nakanoまる)・女優賞(Nakanoまる)

『ドキ死』

出演:Nakanoまる、田中健介、華村あすか、岩崎拓馬

■監督:井上康平|脚本:鳥皮ささみ|音楽:Nakanoまる|カラー|STEREO|30min

ブレイク必至のSSW・Nakanoまると新鋭・井上康平は新風を吹き起こせるか?好きになるとストーカーになってしまうヒロインの恋愛の行方や如何に?

◉井上康平(いのうえ・こうへい)

1993年生まれ。東京都北区出身。下町ディレクター。広告に携わりながら、ほそぼそと「PNG」という集団で演劇をやったりしております。

◉Nakanoまる

福岡県糸島市出身。2017年ミスiD審査員特別賞後、つるうちはな主催レーベル「花とポップス」に加入。圧倒的、狂気的、かつキャッチーな表現で、あらゆる人を中毒にする魅力を持つ、唯一無二のシンガーソングライター。花とポップスより全国デビューアルバム「MOM」発売中。

◼︎審査員講評

まるで土砂降り。止まぬ雨、止まぬ音、止まぬ恋。わたしのBPMも止まぬことなく上がりつづけました。心臓のテンポと映画のテンポが合わさっていく、それも、とてつもない速さで。名前って、名前を呼ばれるって、本当はすっごく特別なんです。普通の名前でいい、君が呼んでくれたらそれでいい、普通でいいから呼んでいてほしい。Nakanoまるさんの、か細くも確りとした声がまた良くて、愛おしくて、音楽は観終わったあとつい、口ずさんでしまいました。井上監督の想いと勢いが、あっちあちで煮えたぎって燃えたぎってそれが愛になってやってきた!速さで流れていきがちな台詞や細かさが、決して流れることなく残っていくことに、監督の凄みを感じました。ーーー久保泉(TOKYO CULTUART by BEAMS)

冒頭から既に掴まれる『ドキ死』の圧倒的にチャーミングな強度こそグランプリに強く推したい。クレバーな構成力、Nakao まるのキャラクターの個性を活かした音楽と物語のマッチングの良さ、スマートでポジティブなオチも抜群のセンスを誇示した。ーーー岩田和明(映画秘宝/編集長)

POPな恋愛モノで見やすく短編でも盛沢山にストーリー展開がある。Nakanoまるさんのラストの弾き語りだけでも引き込まれ痺れた。ーーー下北沢映画祭実行委員会

エンターテイメントとしてとても面白かった。ありがちなストーリーではあるかもしれないがnakanoまるの言動や雰囲気がクセになってみていて飽きなかった。さえない女の子役を女優がやっていると、「地味とかいってるけどめっちゃかわいいじゃん」と違和感を覚えてしまうのだがNakanoまるは本当に内気で地味な女の子感が出ていて、それでいて眼鏡をとると本当にきれいでかわいかったので感動した。個人的な印象なので理由を聞かれると困ってしまうのだがNakanoまる、田中健介の二人に光るものを感じた。ーーー映画チア部。

いちばん惜しく感じたのは『ドキ死』で、途中までは「グランプリはこれだな!」と興奮してました。初期ゴダール風(あるいは大林)的な恋愛スラップスティックがそのままYouTuber的センス&マナーに繋がっていくような面白さ。ただ短編なのに中だるみするんだよな~。本当、あとは構成力だけだと思う。ーーー森直人(映画評論家)

説明不足の作品が多い中、めっちゃわかりやすいエンタメで見やすい!Nakanoまるのキッチン弾き語りシーン、とても良かったですね。アーティストは役者としても魅力を発揮し、音楽と作品が高め合う良作でした。ーーー黒澤佳朗(G-Shelter)

ミュージシャンを主人公にその心情を歌わせるというのはMOOSIC LABで数限りなく行われてきた手法で、今回も「あ、またか」とまず思った。そしてどこかコントのような物語が展開していく中で距離をとって冷静に観ていたつもりが、ラストにはきちんと映画として引き込まれて観ていたことに気づく。とても愛らしい作品でした。ーーー林未来(元町映画館)

前半ややノレなかったのですが、それもラストのためのものだったのがわかって、次第に前半も良かったなという印象を持ちました。ただやはり、こういう物語であった以上、最後は彼女の顔が写って欲しかったです。ーーー勝村俊之(シネマ・ロサ/企画・編成)

冒頭の主人公のモノローグの乱れ打ち、テンポの良い絵にはこれからどうなっていくのかワクワクさせられた。nakanoまるの歌もすごく良くて、主演とコラボアーティストが一緒であるからこそ音楽への感情の持っていかれ方が段違い。ーーー石田(元町映画館)

1人のダンス(2018)



MOOSIC LAB 2018 【短編部門】男優賞(安楽涼)受賞作品

『1人のダンス』

出演:安楽涼、RYUICHI(OOPARTZ)、出倉俊輔、佐藤睦、大須みづほ、片山享、大宮将司、笠井 里美、藤本沙紀、伊藤まさね、朱哩、ボブ鈴木、宮寺貴也、アフロ後藤、キャッチャー中澤、 葉夏、新野美紀子、森本のぶ

■監督:安楽涼|脚本:片山享|撮影:深谷祐次|録音: 坂元就 木村聡志|メイク:福田純子|音楽:OOPARTZ|カラー|STEREO|30min(予定)

俳優でもある安楽涼がエレクトロアーティスト・OOPARTZとのコラボで描く、バカバカしくも熱くヒリヒリするダメ人間の疾走と咆哮。

◉安楽涼(あんらく・りょう)

江戸川区西葛西育ち。役者を18歳で始めて現在27歳。 『すねかじりSTUDIO』名義で映像を作り始め。それ以降、映画。MVを監督している。 自分が出たいが為に始めた映画も今回で4作目。

◉OOPARTZ

ダンサーとしてワールドクラスの実績をもち人気を得ているRYUICHI(VOCAL/DANCE)とトークボックスプレイヤーとしてトップレベルの実力を持ちRADIO FISH「PERFECT HUMAN」の作編曲を担当する等でサウンドプロデューサーとして多方面から注目を集めるJUVENILE(TALKBOX/SOUND PRODUCE)からなる新感覚アーティスト

◼︎審査員講評

弱い犬ほどよく吠えるでもかまわない。ストレートにぶつけたパッションは音楽とぶつかり、音楽ジャンルは違うけれど、ブルーハーツでも聴いてる気分で走り切る。熱量で完走した爽快感に拍手です。ーーー家田祐明(K’s cinema)

映画の前半後半に出てくるOOPARZのフレーズがまるで主人公のヒリヒリした心に染み渡るかのように絶妙にシンクロしていたのが印象的でした。ーーー下北沢映画祭実行委員会

男優賞に入れたかった一作。不完全燃焼なのに、誰一人反論しない、二流アイドルと二流監督。双方に一生懸命さ、がむしゃらさがどうも欠けているし、売れる予感も売る気もさらさらない。誰も何も信じてない。けれど、次の瞬間から音楽が鳴り響き映画がここから始まる、という疾走感がとても気持ち良かったです。音楽が始まる瞬間は、これぞムーラボ、とおもわされました。海中のシーンが非常に良かったです。何も言わない、ということが、酷くも、真剣な眼差し、と受け取られてしまう悲しみや悔しさは、経験した人にしかきっと、わからない。まさに音楽と映画を残した、ムーラボの主題に合った一本。ーーー久保泉(TOKYO CULTUART by BEAMS)

①どう見ても、売れてないアイドル5人を撮る男。彼が彼女たちを心から撮りたいと思っているとは思えないし、半ば惰性でやってる仕事のように感じてしまう。ほんとはもっと別のかっこいいことしたいんだろうなって。しかし、撮ることから逃げることはできないし、ましてや自分からも逃げることはできない。もがくしかない。行き場のない感情のぶつけ方の、いい勉強になりました。②パラレルワールドの『カメラを止めるな!』のようだと思った。言いたいことを言えず、自分に言い訳をしながらなんとなく適当に生きている、少し哀愁もただよう監督(安楽涼)の雰囲気がよく出ていた。部員内で賛否がわれたものの、1つの曲を繰り返し使う演出は、曲が耳に残った状態で最後のシーンをむかえられるという意味で良かったのではないかと思った。ベタすぎるかもしれないが本当にmvを作って、最後のエンドロールなどで完成したmvを流してほしかった。ーーー映画チア部

短編ならではの勢いで、抑圧と暴発、その衝動だけで押し切った作品ですが、そこが逆に良かったと思います。また、印象的な音楽の力もあって最後まで魅せたと思います。ーーー勝村俊之(シネマ・ロサ/企画・編成)

監督兼主演の安楽涼の顔が映画的に素晴らしかった。同じ音楽を繰り返しつかってる分、終盤で自然と体が乗ってくる感じはずるいし、実にムーラボ的な映画だと感じる。ラストのリュウイチくんが少しだけ笑う表情が良すぎて、あそこだけ何回でも見たいです。ーーー石田(元町映画館)

曲に合わせてちゃんと作ろうとする真面目な意志が見える。ただそこから先に行けておらず、ドラマ仕立てのMVに終わっている感も。手持ちカメラで走るなどしていても(ブレすぎだろうというのはさておき)全体的におとなしく生真面目な印象で、とても熱いドラマのはずが、観ている方が熱くなりきれない作りの弱さが残念。もっとバカになって作っても良かったのでは。ーーー林未来(元町映画館)